オーストラリアワーホリにてファームで3ヶ月以上働いてセカンドを取得するまでの記録③
終わらない肉体労働の日々
初日の仕事を終えた僕は疲労困憊だった。
初日の時点で仕事中に「これ、いつ終わんねん。。。」と思いながら働いていた。
ファームの仕事に決まった退勤時間はない。
ボスが今日はここからここまで収穫すると決めたら、何時までかかろうが途中で終わることはない。
毎日、ボスのさじ加減で何時までやらされるか分からないという点は部活で味わった感覚に近かった。
何時までか分かっているなら頑張れるが、いつまで続くか分からない過酷な肉体労働ほど理不尽に辛いものはない。
経験が増えてくると「今日は大体何時くらいやな。」と自然に分かるようになるのだが、最初は全く予想できなかったので肉体的だけでなく精神的にも辛かった。
仕事が終わった時の喜びと充実感も部活に近いものがあった。
その喜びはバイトの退勤とは比べ物にならない。
仕事を終えて家に帰ると、まず真っ先にシャワーを浴びる。風呂はもちろんないので、シャワーのみ。
疲れて何もする気が起こらず、スマホにダウンロードしていた動画をマットレスの上に寝転んでただただ観続けるだけ。
そして、晩御飯を適当に作って食べてまた明日の仕事のために早く寝る。
そんな日々だった。休みは1日も無かった。(たしか初日から数えて休みなく33連勤したと思う。)
とにかく辞めたかった。
仕事先に日本人はいたが仕事のグループが異なるため話す機会はほぼ無く、友達はいなかった。
日本人から仕事を教えてもらえたなら、もう少しましだったと思うが周りにいなかったので怒鳴られながら仕事をしていた。
怒鳴られるわ、キツイわ、友達いないわで何重苦かと思うほど辛かった。
(こういう暗い話は僕も嫌いなので、書いてて落ち込んできた笑 もうちょっとしたら、明るい話になっていくのでもう少しお待ちを。)
自分は2年休学しているので同級生は既に会社で働いているというのに、自分は何でこんな仕事をしているんだというのも辛い理由の1つだった。
ファームに来てから2週間くらいで本気で辞めようと思って、メルボルンでエンジニアインターンを探して応募したりしていた。
もし採用されたら、それを理由にファームを辞めれば大義名分もあるし、そっちの方が将来のためにもなると考えていた。
まあ、結果的にはもちろん返信すらなかったけど。。。笑
人は辛くなるとそこから逃げ出す理由をどうにか作りだして正当化しようとすることを学んだ。
当時は本気でそっちの方が将来のためになる選択だからそうしようと考えていたが、今考えると自分はただ逃げたかっただけなんだなと分かる。
ここからちょっと明るくなります笑
そんなわけで一時は本気で辞めようとしたことはあったが、幸か不幸かインターンの応募先からメールの返信が無かったこともあって何とか1日1日乗り越えていた。
ただ不思議と毎日怒鳴られながらも仕事を続けていると、段々と仕事の仕組みが分かってきた。
最初はただの鈍臭いやつだった僕も、人並みに仕事が出来るようになってきた。
仕事といっても肉体労働なんだけど、それでもコツはある。仕事っていうものは最初は何も分からずに悔しい思いをしても、愚直に続けていれば上達していくものなんだなと。
続ける大切さを教えてもらった。
どんな仕事でも、頼りにされると楽しくなってくるものだ。
僕は少しずつ、仕事を楽しめるようになってきた。まあ、依然としてめちゃくちゃキツかったし、仕事中はとにかく家に帰りたかったけど笑
そんな頃に同じ家に日本人のカップルの2人が入居してきた。
この方々は僕より年上だが、既に僕が働いているファームで過去に半年ほど働いており、貯めたお金でオーストラリアを一周し、またファームに帰ってきたというツワモノだ。
僕なら何があってもまたファームで働くという選択はしないだろうにこの人たちはすごいなと思いながら、お互い自己紹介して次の日から一緒に働き始めた。
以前に半年ほど働かれていただけにボスも彼はとても頼りにしており、すぐに僕たちバケボのリーダーになった。
同じ家ということもあり、すぐに仲良くなり、気づけば毎朝彼の車でファームに向かうようになった。
今まで友達がいなかった僕も彼を通じてファームの色んな人と仲良くなることが出来、その頃から仕事だけで無くファーム生活が徐々に楽しくなり始めた。
今までは一人で飲み込むだけだった愚痴を言える相手が出来たし、仕事も分かりやすく教えてもらえたし、お互いUFOとかUMAみたいなミステリーとか怖い話が好きという共通点もあって話がとても合った。
年齢的には僕より8つくらい上だったが、僕にとって初めての年上の友達が出来た感覚だった。
彼に仕事を教えてもらったこともあって、より仕事が出来るようになった僕は仕事内容も変わった。
バケボにもランクがあって、説明が難しいので省略するがトラック周りの仕事を任せてもらえるようになった。
実はこの仕事の方が肉体的には断然キツかったのだが、任せてもらえるのが嬉しかった。
そんな感じで2ヶ月くらいの時間が経っていた。
気づけば2ヶ月経っていたような感じで書いたが全然そんなことはなくて、毎日「今日で○日目。。」と自分を鼓舞していた。
それでも全然、先は長くてファーム生活が終わる気はしなかった笑
続きはまた今度。